2014年11月8日土曜日

エボラ禍ニ我想フ

11月になりました。
早いもので、あと1ヶ月で2014年もおしまいです。

月日が経つのは、本当に早い。
2013年12月に始まった西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行も、終息の兆しが見えないまま、1年が経とうとしています。


幸いにも、僕がいるベナンでは、エボラ出血熱の陽性患者は出ていません。
なので、全くを持っていつもと変わらぬ毎日を送っていますが、それでも医療機関への立ち入り禁止など、 隊員の活動には少なからず影響が出ています。

また、8月に感染疑い症例がベナンで発生した際は、その地域の隊員は一時コトヌーへ退避となりました。


その連絡を受けたとき、僕はあることを想い、考えました。

『もし、仮に、ベナンにもエボラが拡大してしまったら。』

その時は、感染の規模にもよりますが、もしかしたら国外退去となるかもしれない。
少なくとも、自分の任地で発生したら、コトヌーへ退避することは確実である。

己の安全を考えたら、尤もなことです。


でもね。


もし、ベナンに、ジュグーに、エボラが来てしまったら。
その時は、ここに住む人々が、本当に外からの助けを必要とする時だと思うのです。


僕は、ボランティアとして、この街に住んでいます。
でも、それは、この街の人々の好意によって、住まわせてもらってる、って感覚に近い。
僕が居ようと居まいと、彼らの日常は続いていく。

しかし、ひととき、禍が起きてしまったら。
彼らは、誰かの助けを本当に必要とする。
けれども、その時、僕はここを去らなければならない。


それって、僕がやりたいこと、僕が望むこと、なのかな???


もちろん、僕は医療従事者ではないので、病気を治療したり、対処することはできません。
しかし、そこを踏まえても…この街の人々が助けを必要とする時に、ここを去らなければいけない、と考えると、なんとなく、腹の奥底がザワザワしてしまうのです。


国際協力という分野では、たくさんの人々が、さまざまな組織に属し、または個人で、いろんな形で地元の人々に関わっています。
そして、僕が今いるのは、非常時にはココを去る、という立場です。

それだけです。解ってます。
なんだけど…ね。(ザワザワザワ…)


この心のザワザワが治まるように、エボラ出血熱が一日でも早く終息しますように。
一日でも早く終息して、一人でも多くの人が助かりますように。
一人でも多くの人が助かって、一刻も早く彼らに平常が戻りますように。

そして、エボラ出血熱の最前線で活動されている方々が、一日でも早く平穏に帰還されますように。